ビーフリーズは飛ばないルアーとして知られている。
そう聞いて、使うのを避けている人も多いかもしれない。
遠くに投げられるほど有利。広く探れるほど釣れる。
確かにそれは間違いではない。
だが、すべてのフィールドでそれが正解とは限らない。
足元から20m圏内で勝負が決まる場所。
丁寧に通すことが釣果に直結する状況。
そういった場面では、「飛距離」はむしろ優先順位が下がる。
そこで存在感を発揮するのがビーフリーズだ。
飛ばないルアーとして知られる一方で、
使う場所を間違えなければ“1軍”に入り込むだけの力を持っている。
この記事では、ビーフリーズが本当に活きるフィールドと、
なぜ飛ばないにもかかわらず釣れるのか、その本質を解説する。
「飛ばない=使えない」という固定観念が、少し変わるはずだ。
飛ばないルアーが不利とは限らない
ルアーは飛べば飛ぶほど有利。
そう考える人は多い。
実際、広範囲を効率よく探れるという意味では、飛距離は大きな武器になる。
しかし、それはあくまで「広いフィールド」の話だ。
釣りをしていると、遠投がほとんど意味を持たない場面に何度も出会う。
むしろ、近距離をいかに丁寧に攻められるかで釣果が決まる状況も少なくない。
そういった場面では、飛距離は優先順位が下がる。
そしてそのとき、評価が一変するルアーがある。
ビーフリーズだ。
ビーフリーズが1軍になるフィールド
ビーフリーズが真価を発揮するのは、「飛ばす必要がない場所」だ。
例えば以下のようなフィールドが当てはまる。
- 水路幅10m前後の小規模河川
- 足場の低い野池の岸沿い
- 護岸際をタイトに通す必要があるポイント
- ストラクチャーが近距離に集中しているエリア
こうした場所では、遠くに投げる必要がない。
むしろ、10m〜20m圏内をどれだけ丁寧に通せるかが重要になる。
飛距離が出るルアーよりも、“見せて食わせる能力”が求められる場面だ。
その条件に、ビーフリーズはしっかりハマる。
私はチニングを嗜むが、よく行く河川(ドブ川)は足元の整備された護岸際はスリット状のえぐれがあり、そこによくチヌが潜んでいる。
このチヌを狙うのに最適なのが飛距離は不要でよく釣れるビーフリーズなのだ。
なぜ近距離戦で強いのか
ビーフリーズが近距離で強い理由は、単純に「飛ばないから」ではない。
ジャーク時のスライド幅。
止めたときにピタッと止まるサスペンド性能。
そして、余計に暴れすぎないナチュラルな存在感。
これらが合わさることで、「食わせの間」を作りやすい。
特にプレッシャーの高いフィールドでは、
速く動くルアーよりも“止まるルアー”のほうが口を使わせやすい場面がある。
ビーフリーズは、その間を作るのが非常にうまいルアーだ。
ビーフリーズのメリット
ビーフリーズは飛距離こそ出ないが、それを補って余りある強みを持っている。
まず大きいのが、サスペンド性能の高さだ。
ジャーク後にピタッと止まり、その場に留まり続けることでバスにしっかり見せることができる。
特にプレッシャーの高いフィールドでは、この「止まる」という動きが非常に効く。
動き続けるルアーには反応しない魚でも、止まった瞬間に口を使うケースは多い。
この特性は、低水温期や食い気が落ちている状況で特に強い。
冬場やターンオーバー時など、ルアーを追いきらない魚に対しても口を使わせやすい。
次に、アクションの扱いやすさ。
軽くジャークを入れるだけで左右にスライドし、誰でも簡単に“それっぽい動き”を出せる。
テクニックがなくても形になるため、初心者でも扱いやすいルアーと言える。
さらに、近距離戦における精度の高さも魅力だ。
飛びすぎないことでコントロールしやすく、狙ったポイントに丁寧に通すことができる。
護岸際やストラクチャー周りなど、ピンポイントでの釣りでは大きな武器になる。
また、朝まずめや夕まずめといった短時間の時合いでも強さを発揮する。
限られた時間の中で、確実に食わせにいく釣りとの相性がいい。
最後に、個人的に評価しているのがリップの強度だ。
近年の国産ミノーは、アクション性能を重視してリップが小さく薄く作られているものが多い。
その分、接触や根掛かりで破損しやすい側面もある。
一方でビーフリーズは、リップが大きく分厚く作られており、
多少ラフに扱っても簡単には壊れない安心感がある。
護岸やストラクチャーにタイトに当てていく釣りでも使いやすく、
結果として攻めの幅が広がる。
まるで、ベルセルクのガッツが振るうドラゴン殺しのように、無骨だが折れない。
そんな道具としての強さを感じさせるルアーだ。
ビーフリーズのデメリット
一方で、ビーフリーズには明確な弱点も存在する。
最大の弱点は、やはり飛距離だ。
広いフィールドではどうしてもカバーできる範囲が狭くなり、効率が落ちる。
特に沖のブレイクや回遊待ちの釣りでは、他のルアーに分がある。
また、サーチ能力の低さも無視できない。
広範囲を素早く探る釣りには向いておらず、魚の居場所が分からない状況では使いどころが難しい。
風の影響を受けやすい点もデメリットの一つだ。
軽量なため向かい風では飛距離がさらに落ち、狙ったコースを通しにくくなる。
さらに言えば、「雑に使うと釣れない」という側面もある。
適当に巻くだけではこのルアーの強みは発揮されにくく、止める間やアクションの意識が必要になる。
強い場面では圧倒的に強いが、使いどころを間違えると一気に厳しくなるルアーだ。
そのため、ビーフリーズは「飛距離が必要な釣り」には向いていない。
広範囲を探る展開や、沖のポイントを狙う釣りでは出番は限られる。
結論:ルアーは場所で選ぶ
ビーフリーズは飛ばない。
それは事実だ。
だが、それは弱点であると同時に、使いどころを明確にしてくれる特徴でもある。
遠くに飛ばす必要がないフィールド。
近距離で丁寧に攻めるべき状況。
そういった場面では、ビーフリーズは間違いなく“1軍”になる。
ビーフリーズは「飛ばないルアー」ではない。
「飛ばす必要がない場所で使うルアー」だ。
ルアーを性能だけで選ぶのではなく、
フィールドに合わせて選ぶ。
その視点を持ったとき、このルアーの価値は大きく変わるはずだ。
ビーフリーズとは
ビーフリーズについては今さら説明不要かもしれないが、念のため軽く触れておく。
ビーフリーズ(B’Freeze)はラッキークラフトから1997年頃に発売されたミノーで、今もなお販売されている定番ルアーだ。
SP(サスペンド)モデルを中心に、F(フローティング)やS(シンキング)も展開されており、
シンキングには飛距離を強化したヘビーシンキングモデルも存在する。

サイズも48mm〜78mmのバス用から、65mm〜140mmのソルト対応モデルまで幅広く、
フィールドやターゲットに応じて選べるラインナップとなっている。
また、海外では「ポインター」という名前で展開されており、
国内外問わず長年支持されているルアーでもある。


